身体の光沢とフォルムの愛らしさからいつまで見ていても飽きないタナゴ。
タナゴの飼育を続けていると誰もが繁殖に興味を持ってきます。
ご自身でタナゴの産卵、孵化を見たい、と感じるのはごく自然の流れですが、どのように繁殖を試みたら良いのでしょうか。
そこには、二枚貝との共生が必要です。
生態の違う生物の共生から繁殖に導くための条件と二枚貝の飼育についてお話しします。
タナゴと二枚貝はどのような関係なの?
良質な水脈や安息できる環境を好むタナゴは、その環境に即した場所で、穏やかに産卵を試みます。
その過程において、タナゴはその生息地にいる二枚貝に卵を産み付け孵化を待ちます。
二枚貝は、託された卵を保持しながら、タナゴが成魚になるまでの一時成長の場所となるのです。
これにより他の魚からの攻撃を防いだり、生息環境が変わることなく育つため、タナゴの繁殖活動において共生する二枚貝はなくてはならない必須の存在なのです。
繁殖を考慮して、適した二枚貝の生息する場所にタナゴは住処を設けると言っても過言ではありません。
タナゴと二枚貝の共生に必要な条件は?
本来、タナゴは10°〜25°に保った清い水質、緩やかな流れの川や沼、池を好んで生息します。
タナゴが繁殖に好むイシガイ系の淡水二枚貝も低温水質で、水草が多く植物プランクトンが発生しやすく、光合成によって酸素の供給が可能な場所を好みます。
さらに二枚貝は、植物プランクトンを吸収する際に、水を濾過して吐き出す習性があります。
つまり、ある程度自ら水を浄化させることができるのです。
水質や環境を整えてくれ、繁殖の手伝いをしてくれる二枚貝はタナゴにとっては切り離せない存在とも言えるのです。
まとめ
タナゴと二枚貝の生息条件はとても共通点が多く、それゆえに共生する環境に置かれやすいと言えます。
つまり、二枚貝の生息において良好な生息地は、タナゴにとっても格好の住処、ということがわかります。
双方の共生によって、良質な自然環境を守り、コンビネーション良く子孫を増やしているというわけです。
二枚貝との共生によって、タナゴの生殖のサイクルが成り立っているのです。