スジエビはテナガエビの仲間であることから肉食性の高い生物に分類されます。

その獰猛性や攻撃性の高さ、縄張り意識が高さから他の個体とは混泳が向かず、スジエビ単体で飼うことが望ましいとされています。

そんなスジエビですが、見た目のコミカルさに好感が持てることや、餌の争奪戦で見せる滑稽な仕草が、飼育者を見ていて飽きさせない不思議な魅力があると言えます。

スジエビは生息地域によってA型、B型とに分けられ、A、B型はそれぞれ別の種類とされています。

A型は川の上流に居たり、湖沼に居る小型の個体群、対してB型は河川下流、または河口域に生息し、模様であるスジが濃く太いのが特徴です。

また、B型は汽水(淡水と海水が混在した)が必要です。

スジエビほど生息域によって体長や模様が異なり、性格までも違う多様性がスジエビの特徴です。

地域によっては穏やかで大人しい個体でコケなどを食べて静かに暮らす者もいたり、肉食種らしい狂暴な性格もいます。

厳しい自然を生き抜くために順応した結果なのでしょうか?

進化の過程でそれぞれの特性を持ち合わせたスジエビに興味深々ですね!

スジエビ 色 変化

スジエビの色が変化する?

スジエビに限らず甲殻類では、周囲の状況によって体色を明化したり、暗化したりする種が少なからず存在します。

その状況としては、海底面の色を反映する、水草や岩などに体色を近づけることです。

飼育して観察していると、スジエビは見事に体色を変えることが出来ます。

そのメカニズムは殻の下の表皮組織内に散在している色素胞のおかげです。

色素胞はそれらが含まれている色素顆粒の色によって赤色色素胞,白色色素胞,黒色色素胞,黄色色素胞などに分類されています。

スジエビはこの色素の中で赤色色素胞が圧倒的に多く、この色素顆粒に含まれるのがアスタキサンチンというカロチノイドの一種です。

エビを加熱処理すると赤く変色するのもこのおかげです。

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スジエビはこの色素胞を拡散・凝縮させることによって明暗を出し色をかけることが出来ます。

色素胞の制御をしているのが赤色色素胞凝集ホルモン(RPCH)と呼ばれる、色素刺激ホルモンでスジエビの眼柄内にあるX器官-サイナス腺系から分泌されるのと、スジエビの脳からも赤色色素胞拡散ホルモン(RPDH)が分泌されていることが研究で分かっています。

要するにスジエビの置かれた状況によってホルモンが分泌されることにより、殻の下の表皮組織内の色素胞が収縮することによってスジエビの色が変わるようです。

まとめ

スジエビは他の甲殻類と同じく体色を変化させることが出来る仲間に分類されます。

外敵から身を守るための自衛技能ですがスジエビの場合は甲殻の下にある皮下組織内にある色素胞と呼ばれる細胞を収縮させることにより明暗を作り出し、体色変化を可能にしているのです。

正確には細胞が伸び縮みするのではなく、顆粒状の色素が広範囲に拡散するか、一点に集中するかの違いであるそうです。

状況によって体色を変えるスジエビ、なかなか器用な生物ですね!

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