スジエビは基本的に淡水エビですが生餌として海釣り使用されることが多いため、飼育に海水が必要だと勘違いしている人も少なくないようです。
スジエビの生息域によっては汽水(海水と淡水が混在した状態の液体)が必要な個体もいるようですが基本は淡水性の生物です。
寿命は1年ちょっとと短く約10ヶ月のサイクルで、春に抱卵しゾエア放出後に大きな個体から寿命が尽きていくようです。
卵から孵化して出てくるのはエビの形をしておらず、頭を下にしてピクピク泳ぐプランクトンの様な状態をゾエア幼生と呼びます。
もちろん親であるスジエビの成体と同じ餌は食べられないので自分より小さな動物・植物プランクトンを食べて成長します。
その後脱皮を繰り返し成体と同じ形の小さなエビの形になります。
スジエビとザリガニの混泳は可能か?
先ずスジエビとザリガニの大きさを比べてみたいと思います。
スジエビが3~5cmなのに対してザリガニは種類にもよりますがアメリカザリガニで8cm~12cm、ニホンザリガニでも5cm~6cmと体格ではザリガニの方が上です。
更にザリガニには強力な武器である大きなハサミがあり、スジエビのハサミがオモチャのピストルとしたら、ザリガニのハサミはバズーカ砲と言っていいくらい戦闘能力が違います。
残念ながらスジエビがザリガニと遭遇してしまったら、その後の展開は言うまでもありません。
混泳が可能か否かについては基本的にスジエビはザリガニの餌と思っていいでしょう。
それでも混泳を考えるとしたら、前出の通りスジエビとザリガニの遭遇機会を減らす環境作りをして行くことが重要です。
流木やオブジェ・水草など、そして水槽の大きさもある程度必要です。
90cm水槽にザリガニが1匹程度なら十分共存が可能と言えます。
最後にザリガニを飢餓状態にしないことが最も優先すべき点です。
スジエビとグッピーの混泳は可能か?
まずはグッピーとスジエビの体格差ですがどちらも成体になれば5cm程度となり、グッピーの危険度は微妙なところですが、問題は夜にあります。
グッピーを含む熱帯魚のほとんどは夜に眠ります。
しかし、スジエビを含む甲殻類は夜行性のものが多く、スジエビも夜間に活発に行動を始めます。
そして無防備なグッピーの背中に抱きつき、ハサミで襲います。
体格が互角でも執拗に攻撃を繰り返し、相手が弱ったところで一気に畳みかけます。
その様子はまさにハンターでグッピーもひとたまりもありません。
まとめ
スジエビは基本的に混泳に向いていないと言われますが、自分より大きな個体には逆に捕食される側に回ることになり、ザリガニとの混泳では餌になってしまいます。
肉食種としての宿命もありますが、スジエビも自己の生存のために一生懸命です。
混泳は難しいものの飼育者としては、飢餓状態にしない、適正飼育数を守る、広い水槽を使用する、隠れ家を設置するなどの工夫で共存を可能にすることが出来るかもしれません。
しかしリスクは避けたいものですね。