タナゴの中でも最大のカネヒラ。
その元気な泳ぎっぷりやフォルムが人気の魚ですが、最も惹きつけられるのはオスの婚姻色。
秋口に虹色に輝く端麗な容姿に、繁殖を望むファンも少なくありません。
さて、カネヒラの繁殖は難しいのでしょうか?
カネヒラの飼育は比較的容易ですが、その繁殖は諸所難しさがあります。
カネヒラの繁殖の方法と特徴についてお伝えします。
タナゴと同じ?カネヒラの繁殖過程とは?
カネヒラの繁殖はタナゴとほぼ同様、人工接合と二枚貝への産卵・接合の方法の2通りです。
一般的に二枚貝と共生を試み、自然に接合を待つ方法が選ばれます。
カネヒラの繁殖期は秋で、この頃にオスが特徴の美しい婚姻色に変化が兆候とされます。
メスが二枚貝に産卵し、オスの接合が済むと、1週間程度で孵化します。
その後、カネヒラの稚魚は越冬のため一旦成長を止めて貝内で過ごします。
5〜6月頃再び成長を始め、1cmほどになると貝から出て行きます。
カネヒラの繁殖の特徴やポイントとは?
カネヒラの稚魚が元気よく育つためには、繁殖に少なくとも長い越冬時期を含め半年ほどの期間が必要です。
そのため、産卵から先長期に耐えられるだけの良好なコンディションの二枚貝が必要です。
カネヒラが好む二枚貝はタテボシ貝、イシ貝が主です。
しかし、この飼育がごく難しく、もし接合が万事成功しても、稚魚の住処とする貝が亡くなってしまうと稚魚も冬を越せません。
メスの産卵と接合の完了を感じられたら、産卵したであろう貝を取り出し、別水槽で見守る必要があります。
その間も、二枚貝にに適した環境の保持に気をつけながら観察していきます。
ですから、カネヒラの繁殖においては、二枚貝の生息がとても大切で、繁殖の長いスパンの行程には根気強く世話をすることが重要となります。
カネヒラ Acheilognathus rhombeus の稚魚:春、この辺りで最初にイシガイ類から浮上してくるタナゴ類はカネヒラだ。背鰭に黒点様の稚魚斑を備え、慣れるまではバラタナゴ属の魚と見分けられないかもしれない。野生のものはあっという間に成長するが、飼育個体は遅い印象。 pic.twitter.com/lN5uBIDsMt
— rhodeus (@rhodeuxp) 2017年6月8日
まとめ
タナゴ同様、カネヒラの繁殖においても二枚貝の生存が重きを置かれます。
カネヒラが繁殖期を迎えると同時に健康な貝を手に入れ、良い環境を設けて迎え入れることがカネヒラの繁殖のキーポイントとなります。
難しさもさることながら、経験や知識を多く要することになります。
その分、繁殖に成功できれば喜びもひとしおでしょう。