良質な環境に生息するタナゴ。
昔から沼や池でよく見かける日本固有の魚として認知されてきました。
しかし、宅地や地域発展、外来種などの到来に伴いタナゴの住処が狭まり、生息もままならなくなりました。
日本固有種の多くは現在、絶滅危惧種となっています。
今後のタナゴにとって生息条件を満たす環境を作るには?
それはビオトープを整えることにポイントが置かれます。
ビオトープにおいてのタナゴの繁殖についてお話しします。
ビオトープとは何?タナゴに合ったビオトープは?
ビオトープとは、日本語では「生物生息空間」と訳され、生物が快く生息できる場所を改変して行くことを意味します。
昨今、タナゴのように環境の悪化に伴い生息地を追われた生物に適した場所を作り直す必要があります。
どこにでもタナゴが元気に泳いでいた時代のような状態に戻してゆく環境改善の試みのことをビオトープと呼びます。
例えば、都市部においては、宅地化、近代化に変革した地域を区画し再び自然生態に見合った環境を作ることで、遠ざかっていた動植物を地域に蘇えらせることになります。
タナゴはまず水質の良し悪しと水温、水流に重きが置かれます。
緩やかな流れに水藻が浮かび、汚染も急激な水温の変化もなく、外敵ストレスがなく、雑食性に耐えられる餌が豊富な場所。
そのようなタナゴが住むために快適な場所と、今後の繁殖が望まれる環境が望まれます。
タナゴの繁殖に見合ったビオトープは?
タナゴの生息のみを考慮しビオトープの開発を進めるだけではタナゴ自体の繁殖は果たせません。
タナゴと付随して、産卵に必要な二枚貝と二枚貝の生息に必要な条件の存在、場所の確保を目論んだ環境作りが必要です。
これについては、相当する二枚貝とタナゴの共生条件は類似しており、ただ水質や温度、光合成に適した日照や餌をキープができればそう難しい条件ではありません。
まとめ
タナゴの生存保善と生存範囲を広げるためにもビオトープは欠かせない人為的環境改変の活動です。
動植物の住みやすい場所は、同時に人間の生態においても大切かつ健康に生きるために必要な場所となります。
つまり、再び稀少な動植物が戻り、繁殖を行えるようにする試みは、同時に人間の生活においても良い居住空間もたらす場を作ることとも言えるのです。