生息環境の激減でその生息数も希少なタナゴ。
だからこそタナゴの飼育において、産卵から孵化の時期を見届けるのは室内繁殖を試みる上では最高の醍醐味と言えるのではないでしょうか。
難しいとされる二枚貝の飼育とタナゴの産卵がうまくかち合い、孵化まで到達できれば、それまでの工夫の甲斐を実感できるでしょう。
では、二枚貝に産みつけた卵はどれぐらいで孵化するのでしょうか?
接合から孵化まで、その期間はさほど長くはありません。
タナゴの繁殖期と孵化までの過程についてお話しします。
タナゴの卵はどこでどのように孵化するの?
タナゴの繁殖過程は、適した二枚貝との出会いから始まります。
つまり、好みの二枚貝とともに生存し繁殖期を待ちます。
タナゴは繁殖の時期を迎えるとメスはお腹が大きくなり、オスがメスを惹きつけるため玉虫色とも見える綺麗な婚姻色に切り替わり、その兆候をアピールします。
メスが二枚貝のエラに産卵した後、オスが体液をかけることで二枚貝の体内で接合する仕組みです。
メスとの共寝に上手く成功し二枚貝にて接合を果たせば、後は二枚貝の体内から卵が孵化するのを待つのみです。
タナゴの繁殖期や孵化はいつ頃なの?
タナゴの繁殖期は、秋型、春型と分かれています。
メスが産卵したかどうかは、産卵管が傷ついたかどうか、お腹がやや萎んだかなという目視から見分けがつきます。
メスの様子から二枚貝への接合完了も見極められます。
室内繁殖の場合、接合されたと見られる貝をすぐに別水槽に移し、安全に孵化できる環境を作ります。
孵化までは接合から2〜4週間とされ、孵化すると透明の小さい稚魚たちが生まれます。
まとめ
タナゴの孵化までの過程においては、二枚貝の状態が良好であることの方が重要です。
繁殖期に元気な二枚貝が揃っていれば、産卵、接合はほぼ成功とも言えるでしょう。
そこからの孵化はさして遠くはありません。
程なくして小さい稚魚たちを見ることができます。
きちんと水質管理を行ない、環境の変化によるストレスがなければそこからの成長は実に早く進み、待望の成魚への成長過程が見られることでしょう。