生き物を飼う上で、楽しみな事の一つに繁殖があげられます。
自分の手でメスとオスを出会わせ、新たな命をまた育て始める事は、生命の神秘を感じる事ができる飼育の一大イベントでしょう。
しかし、一方でどうやったら育てられるのか、餌は何がいいのか、試行錯誤しながら環境を整えるのに走り回らなければならないかもしれません。
しかしそれは新しい命を無駄にしない為の責任です。
生まれた新しい命を一から育てるために頭を悩ませる事こそ、本当の飼育の始まりなのです。
ヨシノボリは特に繁殖には神経を使います。
ヨシノボリの性質は、水槽内での繁殖にあまり適していないかもしれないからです。
その点を人間の手助けで切り抜けるために、新しい命である稚魚を生かす方法をご説明いたします。
ヨシノボリの稚魚の飼育
ヨシノボリの卵はオスによって守られます。
石の下などの巣で、オスは神経質になっていますので、このオス以外のヨシノボリは水槽内から出さなければなりません。
私達が興味本位で水槽の石をどけてみたりする事もやってはいけません。
オスは直ぐに世話を放棄してしまします。
水槽の外から覗くものあまり良くない行動です。
ヨシノボリは水槽の前を横切るだけでも反応します。
それほどオスは警戒しています。
あまり刺激を与えると、オスは卵を全て食べてしまいます。
自然界と違う環境がオスをそのような行動に走らせてしまうのです。
孵化は産卵から10日くらいで始まります。
その後は見つけ次第、別の容器に移さなければなりません。
親が食べてしまうからです。
別にした稚魚に餌は、ブライシュリンプを与えます。
最初はあまり食べませんので、食べる様子を観察し量を決めてください。
一日2回程度で十分です。
水質の悪化にも稚魚は弱いので注意が必要ですが、水のろ過の機器にスポンジフィルター等をかけないと、稚魚を吸い込んでしまう恐れがあります。
そして、大きさが1.5cm位に成長したらアカムシを餌として与えても大丈夫です。
まとめ
自然環境下では感じる事のないストレスを、ヨシノボリは感じています。
特に産卵時期はオスのヨシノボリの行動が神経質になります。
なるべく刺激しないように心がけましょう。
自然界では育児を放棄して、食卵することはあまりありません。
ヨシノボリの稚魚の生まれたばかりの大きさは、約8mm程です。
そして、すぐに水槽の底で生活をはじめるので、砂利の上を目を凝らして探ささければなりません。
そして、直ぐに別の容器に移します。
これもまた、水槽内だからこそしなければならない事です。
親が子供を食べてしまわないように阻止できるのは、飼い主であるあなたしかいません。
あなたが見つけることが出来なかった稚魚は、自然界と違って、水槽内では絶対に生き抜く事は出来ないからです。