世界中の海に約3000種類のウミウシがいますが、種類によって好みの餌がことなるように、産卵もまた種類によって違いがあります。

数多くの卵を産むことは基本的に共通していますが、卵のかたまり(卵のう)の形状にはいくつかのパターンがあります。

ここでは、ウミウシの産卵をテーマに卵から孵化についてご紹介します。

ウミウシ 産卵 時期 卵 孵化

ウミウシが産卵する時期と卵の形状

ウミウシの産卵の時期は、種類によってことなり、また、気温による水温変化にも影響を受けます。

ただ、一般的には、水温が上昇する春から夏(5月~8月)にかけて産卵する種類が多いです。

ウミウシは雌雄同体で2匹以上いれば産卵は可能で一度の繁殖行動で複数回の産卵ができます。

また、ウミウシは視力が悪いため目視で繁殖の相手を探すことができません。

そのため、相手が這った跡に残された粘液を頼りに繁殖相手を探します。

卵の形状は、「過巻状」や「きしめん状」、「紐状」があり、多くのウミウシは過巻状に産卵。

イロウミウシ科やクロシタナシウミウシ科はきしめん状、オオミノウミウシ科とファセリナ科は紐状の卵のです。

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ウミウシの卵の孵化とベリンジャー幼生

ウミウシの卵が孵化までの期間は、種類による違いと水温などによりことなりますが、一般的には7日間~14日間ほどです。

孵化した幼生は、「ベリンジャー幼生」と呼ばれ、浮遊生活をおこないます。

ベリンジャー幼生の時点でウミウシの特徴である触角を確認することができ、このときには、成体時には失われる巻貝のような殻と繊毛があります。

繊毛は餌の採取や浮遊時の移動に用いられ、殻は変態をおこなう過程で退化や消失、体内への埋没。

着床までの浮遊生活の期間は微細藻類などを食べる種類が一般的ですが、ウミウシの種類によっては幼生時代に餌を食べなかったり、卵の段階で変態を済ませてしまったりする種類もいます。

まとめ

ここまで、ウミウシの産卵から卵の孵化までの時期について紹介しました。

ウミウシが産卵する時期と孵化までの期間は、ウミウシの種類と水温などの生息環境によって違いがあります。

卵が入っている卵の種類によって違いがあり、もっとも多い形状は過巻状です。

ウミウシは雌雄同体ですから、海岸などで2匹以上採取した場合、産卵の機会に出会えるかもしれません。

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