ミドリフグは幼魚の頃は運分濃度の低い淡水に近い環境で生育していますが、成長すると共に高い塩分濃度の場所に生息域を移行していきます。
自然界では海水で生息するミドリフグがいるほどです。
飼育をする場合には飼い主がこの海水への移行を行わなければいけないので、タイミングを間違えてしまうと大変です。
そこでどの時期になら海水に移行してもいいのか紹介しますので、飼育をする際の参考にしてみて下さい。
ミドリフグを海水に移行するための準備!
ミドリフグは水槽で飼育していれば水換えが必ず必要になります。
この水換えは水槽の大きさや飼育している部屋の状態、設置している機器で変わってきますが、水槽が大きく設備が行き届いていれば一週間に一度の割合になります。
この水換えですが全てを交換するのではなく、1/4程度を入れ換えればいいでしょう。
この水換えのタイミングで少しずつ塩分濃度を高めていき、徐々に海水に慣れさせていくのです。
どんな種類の生物でも急激な環境変化は体に負荷がかかってしまうので、この塩分濃度の変更は慎重に行わなければいけません。
決して適当に行うのではなく、濃度をきちんと測定したり、水と海水成分の素を適量にして行って下さい。
このように成長に合わせて少しずつ海水濃度を高めるのは自然界でも行われているので、飼育している場合にはそれを水換えに合わせて人為的に行うことになるのです。
海水飼育の移行のために塩分濃度を調整することでの注意点
ミドリフグの水換えは海水濃度の調整をしなければいけないので、飼い主にとっては負担に感じてしまうでしょう。
しかしミドリフグの飼育ではこの水換えが最大のポイントとなっていて、この水換えをちゃんとしているかしないかでその後の生育状態が変わってくるので、慎重に注意深く行わなければいけません。
この水換えの注意点としては塩分濃度だけではなく、作った海水を直ぐに使用しないようにすることです。
これは作ったばかりの海水にはバクテリアが発生しておらず、このバクテリアがいる海水でないとミドリフグは生息できないからです。
自然の海には様々なバクテリアがいて、それが海に住む生物にいい生育環境を与えてくれるのです。
飼育されていれば飼い主がバクテリアを発生させてあげなければいけませんが、この作業はそんなに難しくなく、できた海水をバケツなどの容器に入れて2~3日放置しておけば自然に発生してくれます。
海水は水道水を利用する場合が多いため、水換えに使う水は水道水のカルキを飛ばす期間と海水にバクテリアを発生させる期間が必要になるので、水換えをしたら直ぐに次の準備を行うことになります。
ミドリフグの飼育というとほとんどがこの水替えの作業となりますので、注意すべきところをしっかりと把握しておき、失敗のないように行って下さい。
ミドリフグを海水に移行してからの注意点
ミドリフグが体長16センチ以上となって成魚になれば、海水に近い水での飼育が可能となってきます。
ここまでくればある程度の耐久力がミドリフグにも備わっているので、飼育はとても楽になります。
成魚になると適している汽水の塩分濃度は海水の半分から海水そのものまでとなります。
そして幼魚のように少しずつ塩分濃度を上げる作業というのが無くなるので、飼い主の負担は軽減されるでしょう。
しかしこの段階になっても飼い主にはやってもらいたいことがあります。
塩分濃度については定期的に上昇させるというのはなくなりますが、ミドリフグは海水での生息よりも汽水域での環境を望む習性を持っています。
ミドリフグにも個体差があるので全てではありませんが、多くのミドリフグは海水よりも少し塩分濃度の薄い汽水を望む傾向を持っています。
多くの飼い主は成魚になると海水の3/4程度の塩分濃度で飼育を行っていて、この濃度がミドリフグの生育にもいい影響を与えています。
また丈夫な部類に入るミドリフグですが、体調不良や病気になれば当然に塩分濃度の影響が出てくるケースがあります。
もしその塩分濃度がどうも嫌なようであれば、今度は塩分濃度を下げてみて状態を観察してみて下さい。
生物なのですから、常に一定の状態というのは有り得ないのです。
まとめ
ミドリフグは海水での飼育よりは汽水での飼育に適していると言えます。
もちろん海水が好きな個体もいるので、それは飼い主が状況判断をしていって下さい。
生物を飼育するというのは飼い主がその面倒の全てを見てあげるということです。
特にミドリフグは少し変わった生育環境を必要とするので、飼い主になろうという方はその知識を十分に認識しておき、実際の飼育で役立てて下さい。