ディスカスは、もともと南アメリカが原産とされ、水の温度が高めの地域に生息している様です。
ディスカスにとって「水の温度が高い」ということは、餌を良く食べ、新陳代謝が上がることで抵抗力も強くなり、その現れとして体の色が鮮やかにもなり、がっしりとした体格とバランスの取れた姿を維持できることの様です。
水槽飼育では、時々、「個体は元気だが、色が抜ける」という飼育者からの話を目にします。
調べてみました。
色抜けについて
色抜けとは
何らかの原因で「体の色が抜けてしまうこと」を指す様です。
海水で飼育する種類と淡水で飼育する種類では、対応が違う様ですが、一般的に、海水魚よりも淡水魚の方が、比較的早く元の色に戻せるといわれています。
※「抜けた色を元に戻す、または、より鮮やかにすること」を「色揚げ」というそうです。
色抜けの原因
ディスカスの色が抜ける原因は、大きく分けて3つあるといわれています。
- 照明
ディスカスの体の色を美しく出せるのは、「カロテノイド」や「メラニン」などの自然界にある色素だそうですが、個体自身では作れないために、外から取り入れるしか方法がないといわれています。
- 餌
「カロテノイド」や「メラニン」などが配合された餌を与えていないことが考えられる様です。
- 寄生虫や病気の治療などで使用する薬剤
「イカリムシ」や「ウオジラミ」の駆除に使われる「マゾテン」という薬剤は、色抜けの原因になるといわれています。
色抜けの対策
照明の長さや強さを調整する
ディスカスは、昼行性の種類に分類される種類の様です。
そして、個体の色を保つために照明は、とても大切な要素の1つだということです。
- 照明の長さ
ベアタンクで飼育している場合では、水槽の隅まで平等に光が入るので良い様ですが、水草やレイアウトをした水槽で飼育している場合は、水槽全体に光が届くのが難しい様ですから、光の入る角度を考える(全部に光が当たり様に工夫する)必要がありそうです。
一般的に照明は、1日10時間程度が良いといわれている様です。
- 照明の強さ
ディスカスの場合は、一般的に室内で水槽飼育ですから、蛍光灯なら20Wを2本組になったもの、または20W、1本を2セットが良いといわれています。
最近では、
- 長持ちすること
- 電気代が節約できること
- 熱を持ちにくいので夏場のクーラーに影響出にくいこと
などから、飼育者の中にはLED電球を使う人もいる様です。
※人工の光よりも自然の方が良いと考え、直接太陽に当てることは、水の温度が急に上がる恐れがあるために、避けた方が良い様です。
色素が配合された餌を与える
ディスカスは、人工的に作られた餌(人工飼料)にはなかなか馴染んでくれない様ですが、ひとたび餌付けに成功すれば、「水を汚さない」、「安い」、「ゆっくり沈むことで個体が食べやすい」、そして「色揚げの効果が期待できる」など、良いところがたくさんあるのも事実の様です。
寄生虫や病気に強い個体に育てる
新たに迎える個体に対して、しっかりと予防の作業をすることが大切だそうです。
- 新しく迎える個体は別の水槽で飼育する
- 餌は十分に与え、しっかりフンを出させる
- 毎日、水換えをする
- おおむね2週間は、水槽内をpH5.3~pH5.8に保つ
- 2週間後に、天然塩の塩水浴を殺菌予防のために行う
- 個体の体の隅々まで細かくチェックする
まとめ
ディスカスの色抜けの原因は主に、
- 水槽の照明
- 餌
- 治療目的の薬剤
と分かりました。
中でも、照明(天然色素=紫外線など)は重要で、「色抜け」や「色揚げ」に深く関わっている様でした。
ディスカスの色抜け対策は、
- 水槽に使う照明は水槽の底までまんべんなく入る方向を選ぶこと
- 色揚げ効果が期待できる餌を与えること
- 病弱な個体を作らないこと
など、飼育者の細やかなお世話がディスカスの色を維持することにつながると感じました。