ウミウシは、まるでカラーペンで描かれたように色鮮やかな体を持っていますね。
浅い砂地や岩礁、暗い海底など、世界各地の海で色とりどりの姿をみることができます。
海の宝石と呼ばれるほど美しく、時には派手ともいえるウミウシの色ですが、なぜ体に極彩色をまとっているのでしょうか。
ウミウシの派手な色はなぜ?
なぜウミウシは、派手な色の体をしているのでしょうか。
これは、敵に対して警告を発しているのです。
ウミウシの体はとても柔らかくフワフワと海を漂ったり、砂地を移動したりしている姿はとても無防備に見えます。
貝殻のないウミウシが貝の仲間というと不思議に感じる方もいるでしょう。
確かにウミウシには身を守る殻はありません。
これは、進化の過程で貝殻は退化して消滅、さまざまな色を付けることで外敵から防衛することを選択したといえます。
つまり、ウミウシの体の色は、「近づくのは危険だよ」「食べても美味しくないよ」をアピール、捕食しようとする外敵に警告している訳です。
もちろん、体色の警告だけではなく、餌から毒素を取り込んだり、擬態をしたりとさまざま防衛手段を講じます。
ただ、残念なことにこのような防衛手段も100パーセントとはいえないのが現状です。
ウミウシの体の色はどのようにつくのでしょうか。
これは、ウミウシが食べている餌に関係があります。
ブルードラゴンと呼ばれるアオミノウミウシは、カツオノエボシやギンカクラゲなどの刺胞動物を好んで食べます。
これらのクラゲには猛毒があると同時に青い体をしています。
アオミノウミウシは、クラゲを食べることで毒取り込むと共に青色の色素も取り込むのです。
毒は捕食者からの攻撃に備え、青色の色素はアオミノウミウシの体を青くします。
体を青色にすることは、青い海のなかでは目立たない保護色の効果を得ることができます。
まとめ
ここまで、ウミウシはなぜ派手な色をしているのかについて紹介しました。
なぜ、ウミウシは派手な色をしているのでしょうか。
一つは、捕食者などの外敵に近づくことへの警告や食べても美味しくないことを知らせるためです。
もう一つは、淡色や鮮やかな色をすることで保護色となり、周囲の環境に溶け込みやすいからです。
貝殻などのない無防備な状態に見えるウミウシの体ですが、派手な色をすることで防衛をしている訳ですね。