ディスカスも人と同じ様に、飼育中には様々な異常が起こる場合があります。
ある日、気が付くと個体の体に、何か今までになかったものが付いていたり、個体の泳ぐ様子がおかしかったりなどの症状を見つけた時は、1日も早く治療して治してあげたいと思うでしょう。
これから、ディスカスの寄生虫や症状について調べます。
目次
ディスカスと寄生虫
ディスカスが寄生虫に侵されると、呼吸が速くなったり、えらを大きく動かしたり、例え小さい変化でも、よく見れば確認できる症状ばかりの様です。
寄生虫は、個体の体に寄生して、個体の各部位を餌にして、世代交代や脱皮を繰り返し、成虫になったり、寄生生活を送りながら、個体の命を縮めていく様です。
吸虫症(ダクチロギルス症)
吸虫(ダクチロギルス)
- 扁形(平たい形)動物で単性(単独で繁殖できる)類、外部寄生性
- 吸虫(ダクチロギルス)は、一代限りで駆除できる種類ではない
- 体の中に、さらに、数代分を持っている
- 「胎生」あるいは「三代虫」と呼ばれている
吸虫(ダクチロギルス)症の症状
- 寄生されていない個体と比べて、エラの開け閉めが速い
- 寄生されていない個体と比べて、動きが遅い
- 水槽の壁やレイアウトに体をこすり付けて、寄生虫を落とそうとする
- エラは腫れて、閉められなくなる
- (症状がすすむと)呼吸困難で個体は命を落とす
イカリムシ症
イカリムシ
- イカリムシの頭は、船のイカリに似ている
- ミジンコに近い甲殻類、共寝後のメスだけが寄生する
- メスは頭を個体の皮膚に刺して寄生する
- 一般的には、個体の体に寄生したまま越冬する
- 一生のうち15回前後の産卵をする
- イカリムシの子供が水中に放たれた時、個体の餌となるものもいる
- イカリムシは、成魚にしか寄生しない
イカリムシ症の症状
- 体に刺さってくっ付き、刺さった回りの体の色が充血する
- 見た目は、白いひもが付いている様に見える
ツリガネムシ(エピスティリス)症
ツリガネムシ(エピスティリス)
- ツリガネムシ(エピスティリス=原生動物)が個体の体やヒレに着く
- 初期では、べた付く白い綿の様なものに見える
- 綿の様な先は長くなっていて、個体の体に刺さって生活する
- 揺れながら、水槽内の餌を捕まえる
- 時期がくると、別の個体に寄生する(宿主を変える)
- (症状がすすむと)別の病気と間違いやすくなる
- 治療が的外れになる恐れがあるので、顕微鏡で原因を確認することが望ましい
ツリガネムシ(エピスティリス)症の症状
- 初期では、体に白い斑点が現れる
- (症状がすすむと)ウロコが浮き上がって、付け根に無理がかかり、充血する
- (重症では)ウロコがはがれて、皮膚がむき出しになる
- (重症では)「穴あき病」と見間違われる恐れがある
- ヒレに寄生した場合は、ヒレにも同じ症状が現れる
白点病
白点虫:ウオノカイセンチュウ
- 白点虫(繊毛虫と呼ばれる原生動物)で、ゾウリムシに近い種類
- 形は成虫が丸型で0.5mmほどで、繊毛を持つ
- 個体の体で成虫になった白点虫は、子供を水槽の中に解き放つ
- 白点虫の子供の寿命は24時間、寄生に失敗すると全て命を落とす
- 白点病は、病気の進み具合が速い(24時間以内の分裂が目覚ましい)
白点病の症状
- 個体のどこといわず、白い点が現れる
- (重症では)個体を白い点で覆う
ウオジラミ(チョウ)症
ウオジラミ
- 扁形(平たい形)な形をしている
- 裏に2つの吸盤があり、それを使って寄生する
- オスもメスも寄生できる
- メスは、個体以外の場所に産卵(多ければ300個近く)する
- 水の温度が高いほど早く繁殖し、成虫になる確率が上がる
- 個体に寄生する前までは、水の中を漂っている
ウオジラミ(チョウ)症の症状
- 寄生されると、個体はそれを落とそうと水槽の壁やレイアウトに体をこすり付ける
- 大量に寄生されると、ストレスで命を落とす場合がある
まとめ
ディスカスには「寄生虫が原因の病気」だけでも、たくさんあることが分かりました。
どの寄生虫が原因の病気も、個体の皮膚に入り込み、個体が多少、壁やレイアウトに体をこすり付けたくらいでは取ることができず、飼育者が薬剤を使い駆除するほかない様でした。
そのままにしておくと、個体はますます弱って、最後は命を落とすことになることも分かりました。