スジエビは日本原産のテナガエビ科の生物です。

生息域は北はサハリン、南は沖縄、朝鮮半島の一部まで広範囲に分布し、郊外の河川や水田の用水路などで容易に見つけることが出来ます。

オスが3cm、メスが5cm程度まで成長し、2種のタイプが存在します。

A種は淡水のみで生育可能な陸封型、B種はゾエア期に若干の海水が必要な汽水型に分けらられ、それぞれに特徴があります。

また生息域によって個体の大きさや性格も異なり一般的に知られている『獰猛』『食欲旺盛』『他の個体を襲う』『肉食でコケを食べない』などの特徴を挙げるアクアリストも多いですが、一概にそうとも言えず、当てはまらない個体も多く存在するのも事実です。

しかし基本的にテナガエビ類は狂暴な性格であることも否定できないため、混泳は様子を見ながら注意深く行うべきです。

特にスジエビは嗅覚が優れているため、ケガをしたり、何らかの原因で出血してしまった他の個体に対しては、血の臭いをたよりに執念深く追い詰め捕食してしまいます。

さながらハンターのように対象を追い求めるので、そのような性質が如実に現れたら、水槽からの退場を余儀なくされるでしょう。

スジエビ 水草 食害

水草がボロボロ?スジエビに向かない水草

スジエビは生息域によってかなり多様ですが、基本的に雑食(かなり肉食寄り)であるため何でも食べると言われています。

魚の餌、食べこぼし、小型魚、弱って動けなくなった仲間など、食べられるものは何でも食べます。

お腹がすけば水草やコケも食べるため、スジエビ水槽はとても綺麗だと言われます。

まずスジエビがいる水槽で水草が食べられている可能性があるとすれば、見直さなければならない視点が3つほどあります。

  1. エビが飢餓状態になっていないか?
  2. コケ類の発生はあるのか?
  3. エビの密度は適正か?

これはスジエビ導入の目的にも関連しますが、観賞用であれば水草を食べなければならないほどお腹が空いているということです。

直ちにスジエビの密度、餌の量を見直すべきです。

コケ取りに期待しての導入であれば、そもそもコケは水の富栄養化によって発生するものなので、水槽内でコケが発生しないということは餌が足りていないということです。

エビ類は苔と食べかすだけを食べるだけで十分生きられる、という考えの飼育者もいるようですが、食べ物が足りないと水草どころか共食いが発生してしまします。

十分注意が必要と言えるでしょう。

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食害対策について

前述の通り餌が適量与えられていれば、スジエビによる水草食害は起こらないと言えます。

スジエビに限らずエビ類は柔らかい物から順番に食べ始めます。

順序で行くと、

  1. 水気を含んだ市販の餌
  2. コケ
  3. 水草(柔らかいのも)

エサが潤沢にあればコケも水草も基本的に食べません。

まずは餌が適量あるか、スジエビの密度が適正かを見直すだけで対応できます。

まとめ

スジエビは獰猛で食欲旺盛なテナガエビ科のハンターです。

生息域によって性格は異なりますが飢餓状態になったスジエビは食べられるものなら何でも食べてしまいます。

最終的には共食いが始まり、スジエビ1匹になるまで続くでしょう。

飼育者はエビの適正密度を把握し、必要に応じて餌の量を調整しましょう。

多すぎるとコケが大量発生してしまうし、少なすぎても食害が始まります。

水槽内の環境に常に中庸の考えを取り入れより良いアクアリウムライフをエンジョイしましょう!

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