小川にメダカが泳いでいたのは、いったいいつの時代のことなのかと思ってしまう程、小川でメダカは見かけません。
メダカの学校という歌は、現代では昔話みたいになってしまいました。
メダカは泳力がない為、流れの速い川に住むことが出来ず、田んぼの間の流れのほとんどない用水路や、田んぼの中に住んでいました。
しかし、昔の田んぼには冬でも水を張っていたので生きていられたものが、用水路の整備が進み、冬では水を抜くようになってからメダカは激減しました。
田んぼのように浅く、他の生き物にねらわれにくい環境がメダカには最適だったのです。
生きる場所を求めて水路に入ったメダカは、他の生き物達の格好の餌になっていき、今ではほとんど姿を見る事がなくなりました。
同じ事が、水槽の中でも言えます。
水槽という狭い空間の中で、乱暴なヨシノボリと混泳は可能なのでしょうか。
また、熱帯魚の世界では、ヨシノボリと同じ水槽の底を泳ぐ魚が人気を集める魚がいます。
「コリドラス」というナマズの仲間で、上層の熱帯魚の食べ残しの餌を食べてくれる事もあることから「水槽の掃除屋」とも呼ばれる人気者です。
種類は100種類を超え、値段は一匹500円から1万円を超えるまで様々で、こちらも専用水槽をかまえるほどに人気の魚です。
同じ水槽に同じテリトリーの魚が共存出来るものなのでしょうか。
それぞれに興味深いメダカとコリドラスとヨシノボリの関係について、ご説明いたします。
ヨシノボリとメダカの混泳のついて
メダカは水槽の底を泳ぐ事はあまりありません。
水面か、中層を泳ぎます。
一見、底に住むヨシノボリの攻撃から回避できるのではないかと思うかもしれません。
しかし、盲点なのは水槽だからという落とし穴があります。
とにかく大きくなっても3cm程度のメダカはヨシノボリにとって最高の食べ物です。
普段食べている冷凍アカムシが回転寿司だとすれば、生きているメダカは回らない寿司レベルでしょう。
どんな手を使ってでも食べたいものです。
そこでヨシノボリは自慢の吸盤を使って、壁面に張り付いてメダカを襲います。
メダカに逃げ場はありません。
メダカは自然界でも、このようにいなくなっていったのかという勉強にはなるかも知れませんが、混泳は不可能です。
ヨシノボリとコリドラスの混泳について
ヨシノボリは乱暴な性格をしていますが、熱帯魚のコリドラスはとても温厚な性格をしています。
餌はヨシノボリとほぼ同じく、冷凍アカムシか乾燥エビで飼う事が出来ます。
コリドラスは性格上、混泳に向いています。
土管などの隠れ家を作ってあげれば、ケンカもしないで穏やかにしていてくれます。
ただし、ヨシノボリがいなければです。
言ってみればヨシノボリはいじめっ子です。
すぐに攻撃を仕掛けます。
おそらく、コリドラスはすぐにストレスでボロボロになるか、捕食されるでしょう。
その上、コリドラスの種類の中には、ストレスを受けると、毒を発してしまうものもいます。
水槽内の魚が全滅してしまう恐れがありますので、コリドラスもヨシノボリとの混泳は不可能です。
まとめ
ヨシノボリは自分より大きいものには手を出しませんが、小さいものには容赦ありません。
この大前提さえ頭に入れておけば基本的には、水槽の中の秩序は保たれるはずです。
あの愛嬌のある顔、ブサカワといってもいい可愛らしさに秘めた乱暴さには脱帽です。