ハリセンボンといえばあの真ん丸トゲトゲの姿ですが、いつもあの姿でいるわけではなく、外敵を前にして威嚇をするときなど身の危険を感じたときに体型が大きく変化するのです。
では、いつもはどれくらいの大きさなのか?
また、他にどのような特徴があるか?
このふたつについて紹介していきます。
ハリセンボンの大きさは怒ると倍に!
実は同じハリセンボン属に属する魚でも大きさはその種類によってさまざまです。
生息地が広いので、6属20種ほどが知られていますが、一般に知られているであろう「ハリセンボン属 ハリセンボン」を例に挙げると、平時の全長は20㎝から40㎝ほど。
針はたたまれていて、シルエットはフグと似ています。
しかしこれが一転、外敵を前にすると水や空気を吸い込み、約1秒という素早さで一気に膨らんで大きさが2倍になります。
あのイガグリ姿がこの状態です。
膨らむと同時に棘が直立するので、体をより大きく見せるのにも役立っています。
因みに、元の姿に戻る時は2秒から3秒ほどだそうです。
それだけの短時間で体型を大きく変えてしまうとは、よほど皮が柔らかいのでしょうね。
ハリセンボンの特徴と言えば?
次に、特徴についてです。
名前こそ「ハリセンボン」と言いますが、実は針の数は1000本あるというわけではなく、実際は平均350本前後です。
もし本当に1000本あったらもっといかつい姿になっていたことでしょう。
色は褐色や灰褐色などで、暗色のまだら模様が見られます。
また、ひれには模様がありません。
腹びれがなく、胸びれや尻びれ背びれをパタパタとさせて泳ぎます。
大きな目は実際視力も良いそうで、飼われているハリセンボンは飼い主の顔も認識するそうです。
ハリセンボンの食性は肉食で、貝類、甲殻類、ウニなど様々。
大きい個体だと小魚なども食べてしまうとか。
貝の殻をも砕いてしまうほど丈夫な歯はフグと同じように癒合されていて、上下の顎にひとつずつ生えています。
口元がちょっと笑っているようにも見えてなかなか愛嬌がありますね。
まとめ
ハリセンボンは平時の姿と怒った時のギャップが凄い魚ですね。
普段のあの姿でぱたぱたと泳ぐ姿に愛嬌があって可愛らしいですが、一度倍に膨らんだ後にしぼむさまを見ると、最初はちょっと怖いとも思ったあの怒った姿も、ちょっと面白いなと思えてきます。