ウミウシは、それぞれの種類によって食べる餌がことなります。
好みはハッキリとしており、海藻を食べるものは海藻だけを食べ、クラゲを食べるものはクラゲだけです。
その餌の種類の一つにカイメンがあります。
カイメン(海綿)は、海綿動物に属する動物の総称です。
熱帯の海を中心に世界中に生息しています。
もちろん、淡水にも生息するカイメンもいますが、ここでは、海の生き物であるウミウシの餌になるカイメンを取り上げみていきましょう。
ウミウシの餌となるカイメン
ウミウシは世界中に約3000種類生息しているため、カイメンだけを食べるウミウシに限っても、その種類は多く存在します。
また、カイメンならばどれでも食べるということはなく、一つの種類だけを食べるのが一般的で、ほかの餌を摂取することはないといって良いでしょう。
ここでは、アオウミウシの餌となる「クロイソカイメン」を取り上げます。
日本国内のアオウミウシは、本州から九州の海岸から浅瀬の海底で姿を見ることができます。
青色を基調とした全身に黄色の斑紋が特徴的なウミウシです。
クロイソカイメンは、アオウミウシのただ一つの餌といって良いでしょう。
少なくとも現在まで、人工の餌を食べたとする記録はありません。
クロイソカイメンは、尋常海綿綱イソカイメン科の海綿動物です。
本州中部以南に分布、潮間帯の岩盤上や潮だまりなどに樹皮状の群体を作ります。
表面の上皮は黒色から黒灰色、内部の中膠層は上皮よりも淡色です。
アオウミウシに限らずウミウシの生態は解明していないことが多く、クロイソカイメンを食べるアオウミウシの摂取量には、個体により差があるという表現が適切でしょう。
個体によっては、数日間食べ続ける個体もいるようです。
ウミウシ全体を通していえることですが、餌の量を確保することが飼育をする場合において最大の問題です。
アオウミウシを飼いたいとなっても、餌となるクロイソカイメンを確保、必要な量を用意できるかということを念頭に置くべきです。
まとめ
ウミウシの餌は、ウミウシそれぞれの種類によって決まっており、カイメンもその一つです。
さらにカイメンのなかでも好みはハッキリとしていて、カイメンならばどの種類でも良いということにはなりません。
ウミウシが食べるカイメンの量は、個体差があるため明確ではありませんが、生息域に十分な量のカイメンがなければ、ウミウシはどんどん痩せていきます。