ヤマトヌマエビの幼生を育てるには、淡水の水槽では非常に難しいので、家庭で通常の水槽での繁殖はほとんどできないと言っても過言ではありません。
ヤマトヌマエビの幼生は汽水で成長するからです。
このため、繁殖を目指す方は、準備が必要です。
そこで、今回は、ヤマトヌマエビを家庭での繁殖を成功させるための方法と手順について紹介します。
ヤマトヌマエビの家庭でできる繁殖の方法は?
ヤマトヌマエビのメスエビが抱卵をしたら、3~4週間待ち、お腹の中の卵の成長を見守りましょう。
この間に、稚魚を飼育するための別の水槽を準備しておきます。
別の水槽内は、淡水ではなく海水を70%に薄めた汽水を準備します。
汽水は、天然の海水を熱帯魚用の網でろ過したものを使用し、元の水槽(熱帯魚用等)の淡水で薄めて作るのが望ましいです。
天然の海水が準備できない場合は、天然の海水の代わりに、人工海水を使用するか、天然塩で濃度を調整した水で代用する方法もあります。
さて、抱卵後3~4週間したら、母エビを別の水槽に移しましょう。
母エビは、水質の変化に反応して、暫くすると卵を放出します。
母エビが脱卵したら、母エビだけを元の水槽に戻しましょう。
卵がいる水槽は、卵にカビが生えないようにします。
水流とエアレーションを強めにしましょう。
水槽に1日蛍光灯を当てると、水槽内でバクテリアが発生しやすくなります。
ウイローモスを入れるとより良いです。
水換えは毎日行いましょう。
孵化後、約1か月で稚エビになるので、徐々に水槽内の水を淡水化し、慣らしていきましょう。
完全に淡水化するまでには15~20日かかります。
淡水化が完了しても、すぐにはメインの水槽に移さないようにしましょう。
他の魚に食べられる恐れがあるので、稚エビは成長させてからメインの水槽にデビューさせましょう。
ここで、ようやく母子対面です。
無事に母子を対面させることができたら、苦労の分だけ喜びもひとしおですね。
ヤマトヌマエビの繁殖に適した温度は?
ヤマトヌマエビは、低温には強いと言われています。
適温は15~27℃です。
逆に高温には弱く、30℃を超える水温では弱ってしまいます。
ヤマトヌマエビの自然界での産卵時期は、春から夏の終わりの間です。
このため、繁殖にはこの時期の水温と近い環境を整えてあげる必要があります。
水温が低いとエビが寒い時期だと思ってしまうのですね。
20℃以上であれば、繁殖が可能となります。
冬場に繁殖をしたい場合は、ヒーターを使って水槽内の温度を20~27℃に管理をするようにしましょう。
まとめ
繁殖が難しいと言われるヤマトヌマエビですが、繁殖させるコツが分かれば自宅でも繁殖は可能です。
ヤマトヌマエビを飼育されている方はチャレンジしてみませんか?