ディスカスは、元々、熱帯に生息している熱帯魚です。
ですが、現在では、水槽飼育が可能な種類となっている様です。
稚魚では、あまり感じない水槽の大きさも、成魚では大人の手のひらサイズにまで成長する様ですから、「水槽が大きすぎる」ということはなさそうです。
体が大きいと、水槽内の水も早く汚れるため、水換えの回数が気になります。
これから、ディスカスを飼育する際の水換えの方法や頻度について調べます。
目次
ディスカスの水槽の水換え
ディスカスに適した水の状態(生息に適した水)
- 元々(南米アマゾン)の個体は、弱酸性で、GH、KHが低い水の状態を好む
- アジアの個体は、軟水を好み、水に含まれる不純物が比較的少ない状態を好む
※ヨーロッパの個体には、水が硬すぎ、不純物が比較的多い土地柄の水を改善し、原産地に近い状態にして飼育している
水換えの大切さ(働き)
- 個体のフンやフンが水の中に砕けたものを取り去る
- 食べ残した餌や、餌が水の中で砕けたもの、底に溜まったものを取り去る
- フンや餌から出る個体に良くない物質を取り除く
- 個体に必要な栄養を補う
水槽の水の状態を表す言葉(記号)とディスカスに適した値
- pH:「水素イオン濃度」を指し、ディスカスには、6~7pHの中性が適している
※pH7は中性と呼ばれ、pHが上がるとアルカリ性を、pHが下がると酸性を、それぞれ表している
- GH:カルシウムイオンとマグネシウムイオンを合わせた数値を指し、ディスカスには、1~3dh(単位)が適している
- KH:炭酸水素イオンの量を指し、「アルカリ度」とも呼ばれ、ディスカスには、1~3dhが適している
- 硬度:ディスカスには、軟水が適している
- アンモニア濃度:個体に良くない影響を与える物質(アンモニア)が、餌やフンから現れることがあり、1リットルに対して0.25mg以下が適している
- 亜硝酸塩濃度:亜硝酸塩が水に溶けている割合を指し、水の中のバクテリアがアンモニウムイオンを分解することで現れることがあり、1リットルに対して50mg以下が適している
- 硝酸塩濃度:硝酸塩が水に溶けている割合を指し、水の中のバクテリアが亜硝酸塩を分解することで現れることがあり、1リットルに対して0.8m以下が適している
※WHO(世界保健機関)でカルシウムやマグネシウムほかを含む量(水1ℓ当たり)を「硬度」というそうですが、その基準は120㎎としているということです。人の味覚でいうと、次の様に感じるといわれています。
- 軟水:硬度が120ml未満で、味は優しくさっぱりした感
- 硬水:硬度120m以上で、重たく、苦い感じ
ディスカスの水槽の水換えの方法
①汲み置き水を用意する(汲み置きするためだけの水槽を用意する)
- 水の中で、ブクブク(エアレーション)をさせながら、丸1日かけて炭素を抜く
- 汲み置き専用の水槽には、水の温度を測るための「サーモヒーター」を取り付ける
※汲み置き専用の水槽がない場合は、湯沸かし器からの水を大きめのプレフィルター(大まかにゴミをろ過する機器)にかけて、直接飼育する水槽に入れる方法でも良い様です。ゴミ取りフィルターはこまめに掃除しましょう。
- pHの計測器を使って、適しているといわれているpH6ぐらいまで、薬剤などの使用で落とす
②ディスカスの水換えでは、個体のエラが水から出ない嵩まで抜く
※おおよそ水槽の4分の1の水嵩が目安
③水槽内のゴミを丁寧に取り除く
※個体を驚かせない様に慎重に行う
④フィルター類を掃除する
※既存の水か、汲み置きの水を使う
⑤水槽に入れる前に、汲み置き水のpHを測る
※pH6~7まで落ちて安定したのを確認できるまで、水槽に入れない方が良い
⑥水温とpHが個体にとって適切と判断できたら、水槽に水を入れる
※決して個体を驚かせず、水槽の面に這わせる様に、静かに嵩を増やしていく
⑦pHを測る
※個体に適したpHにするために、pH調整剤を使用すると良いそうだが、pHは高いより低いぐらいが個体には安全の様だ
⑧取り外していた浄水器やフィルターを設置して、開始する
⑨餌やりは様子を見る
※「個体が元気に動く」または「餌を欲しがる仕草を見せる」などが確認できれば、少量与えてみる
⑩通常の餌の量を与えて、食べ残しがなければ水換えも完了となる
ディスカスの水換えの頻度
個体が元気で餌を良く強請ることは、大変良い状態といえますが、飼育者が個体に合わせて餌やりを続けていくと、水は汚れていくでしょう。
そのため、フィルターの掃除と水換えは、必ず必要となる様です。
水換えの回数は、水槽の大きさや水槽内の環境、個体の数、飼育者の生活サイクルなどで違いがある様ですが、調べによると、「3日に1度」や、「1週間に1度程度」という飼育者が多い中、「毎日」という飼育者もいる様です。
ですが、本当の意味での「水換えのタイミング」は、実はpHが個体の適した数値の幅を超えた時だということです。
ですから、毎日のpH値確認は、ディスカスの飼育では欠かせない作業だということが分かります。
個体に適したpHの数値が上下した時、薬剤を使ってその数値を調整しなければならない様ですが、結局は、薬剤ばかりの使用では、個体に良い環境とはいえません。
pHの数値が上下した時は、水換えのサインと捉えて水換えを行いましょう。
まとめ
ディスカスは、元々、弱酸性で、GH、KHが低い水の状態に生息していた様で、水槽で飼育する時は、できるだけ元の環境に近い水を作る必要があることが分かりました。
水換えは、水換え専用の水槽を用意し、丸1日をかけてエアーを入れながら、じっくり汲み置きをすることが大切だと分かりました。
また、水を抜く時は、最大でも個体のエラが水の中にあるくらいまでにとどめること、汲み置き水を水槽に入れる速さは、個体が暴れない様に、とにかくゆっくりと静かに、水槽の壁を這わせる様に入れていくのが大切だと、それぞれ分かりました。
水を粗く(乱暴に)入れることは、個体にストレスを与え、個体が暴れれば怪我のもとになり、その傷口から細菌が入り込むことになれば、命を脅かすことにもなるので、水を入れる時の「慎重さ」がどれほど重要かということも分かりました。
ディスカスの水換えの頻度は、調べた限りでは飼育者の生活環境によるところが大きい様ですが、本当の水換えのタイミングは、水槽のpH値を注意深く見て、個体に適したpH6~7が上下した時だと分かりました。
よって、水換えの頻度は、一概には決められないということの様でした。