アロワナが体調を崩した際の対処法として、水温を上げて塩浴をして様子を見るのがセオリーとなっています。
塩浴とは、水槽の水の塩分濃度を上げて、体調を崩したアロワナにかかる浸透圧を弱くして体内への負担を減らすことを目的としている治療法のひとつです。
簡単に言えば、塩浴とは水槽に塩を加えて、塩分濃度を大きくしてアロワナの体調をよくしようということです。
アロワナが塩浴する水槽の塩分濃度はどのくらいにするのか?
アロワナは水槽の水よりも体内の方が塩分濃度は高いので、浸透圧により体内に水が入ってくる状態になっています。
口からは水は入らないのですが、エラから水が入り、尿として排出します。
この状態では水分が体内に入り続けているので内臓などに負担がかかり、体調を崩すことがあります。
この場合、水槽の水の塩分濃度を0.3~0.8%に上げると浸透圧が弱くなり水が体内に入りにくくなるので尿の排出も減ることになるので、結果として体への負担が減って楽になると言われています。
塩浴をする利点としてまずは化学的な話になりますが、塩分の塩化物イオンは亜硝酸の毒性を下げる働きがあります。
亜硝酸は血中ヘモグロビンと結合し赤血球が酸素を運ぶのを妨げるので呼吸困難を起こる原因と言われています。
水槽に塩分が含まれると塩化物イオンが亜硝酸イオンの働きを妨げるので毒性が弱くなり、アロワナの呼吸困難を防ぐことができます。
塩浴には利点だけでなく欠点もいくつかあります。
それは、塩分を上げることは水がアルカリ性に傾く可能性が高くなります。
これが意味するのは、アンモニアの毒性が強く表れてしまうことです。
バクテリアはろ過をする効果があるので、塩浴で活動が弱くなるとろ過ができなくなります。
水槽の水草やバクテリアなどの細菌は塩浴の影響を受けやすいので注意しなくてはなりません。
まとめ
アロワナの塩浴をする際の濃度は0.3~0.8%(1リットルに3~8gの塩を入れた時の濃度)と言われています。
実際どのくらいの量の塩をいれればいいのかは飼育している水槽の水の量によって異なりますのでご自身で計算して下さい。
塩浴をする際の注意になりますが、アロワナはあまり濃い濃度で塩浴させると逆に体調を崩してしまうかもしれません。
塩浴での治療は、あくまでアロワナ自身の自己回復の補助するものであるのでアロワナ自身の回復力に依存すると思われます。