柔道などの格闘技の世界では「柔よく剛を制す」事が醍醐味のように扱われ、体の大きい相手に小さい相手が立ち向かう姿を応援する風潮があります。
相撲の世界でも大きい相手に立ち向かう、技のデパートといわれた舞の海関を応援していた昔の事を思い出します。
しかし、現実には自分より体の大きい相手に立ち向かうのは生き物の世界では少ないことでしょう。
ヨシノボリも同様です。
それがヨシノボリが自然界で生き残る為に身につけて遺伝子の中に刻み込まれた事なのかもしれません。
気性の荒いヨシノボリは単体で飼うのが一番いいことではありますが、ヨシノボリ用の専用水槽を新たに用意するのは、あまり経済的ではありません。
そんなヨシノボリと混泳できる種類の熱帯魚はいるのでしょうか。
ご説明いたします。
ヨシノボリと混泳できる熱帯魚
ヨシノボリと熱帯魚の混泳は基本的には可能です。
しかし、環境をまずは整えなければなりません。
お互いの個体が目に入らないようなレイアウトにします。
より複雑にすることで、個室を作ってやる感覚です。
イメージは同じアパートには住んでいるが、隣の住人の顔は知らないというのが理想です。
そして一番大切な事は、ヨシノボリよりも大きいサイズの魚でなければいけません。
ヒレが長い魚もヨシノボリは噛み付いてしまいますので混泳には向いていません。
熱帯魚で言えば、成魚の大きさが15cmほどのヒツメバウオや、最大で30cmにもなるアーチャーフィッシュ、10cm程に成長する大型のレインボーフィッシュがあります。
大きい水槽を用意できるのであれば、50cmにもなるセルフィンプレコ、もしくは15cmほどのミニブッシープレコ、10cm程のタイガープレコなどが可能です。
お気づきの通り、淡水でも飼育が可能で、最低でもヨシノボリの体長である10cmを超える大きさ、そして出来れば素早い魚しか混泳は難しいという事です。
ただし、同じ大きさでもエンゼルフィッシュのように長いヒレを持つ魚は、直ぐに噛みつかれてしまいますので混泳は不向きです。
まとめ
ヨシノボリにとって出会うはずのない住人との共同生活はストレスとなる事です。
ヨシノボリが戦意喪失する程の圧倒的な大きさでない限り、小競り合いは絶えないでしょう。
そして俊敏な魚が、水槽の底棲性のヨシノボリまで辿り着く前に、餌を横取りしてしまう事もあります。
混泳させた時は、ヨシノボリまで餌が辿り付くか注意し、なるべく隠れる場所を沢山用意しなければなりません。
多国籍のユースホステルのような水槽の中で、少しでもホッと出来るスペースを作ってやりましょう。