皆さんは、「カラドジョウ」という生き物がいることをご存じでしょうか。
名前からして、「ドジョウ」の一種のように思えるのではないでしょうか。
ところが私たちが「ドジョウ」と普段呼んでいるものと「カラドジョウ」とは色々違いがあるのです。
今回はこの点について取り上げてみたいと思います。
ドジョウとカラドジョウの特徴と見分け方
まずドジョウの特徴ですが、ドジョウは雑食性でユスリカの幼虫などを主に捕食します。
体は茶褐色の細長い円筒形で、全長は10~15cmあり、背部に不明瞭な斑紋を持つ物がほとんどです。
口ひげは上顎に3対あり、下顎に2対あり、合計で10本あります。
この髭には味蕾があり、食べ物を探すのに使われます。
えらで呼吸するほか、水中の酸素が不足すると、水面まで上がってきて空気を吸い、腸で空気呼吸も行います。
これに対し、カラドジョウの特徴ですが、ドジョウに比べて口ひげが長く、尾柄部の体高が高いです。
また、尾びれの基底上部にドジョウには見られる暗色斑がないことが挙げられます。
ただ、これらの特徴は両種間の個体変異により判別が困難な場合も少なくないです。
また、側線・縦列鱗数がドジョウは141枚から185枚なのに対し、カラドジョウは106枚から135枚と少ないです。
尾柄部縁辺上部の尾鰭前部鰭乗数がドジョウは14枚から19枚に対し、カラドジョウは31枚~39枚と多めです。
口ひげの長さと尾柄部の高さで見分ける方法の数値化として、農研機構にて発見された判別式で行う方法もあります。
これは、体長、尾柄高、髭長の3つを計測するだけで、特別な分析技術は必要としないものです。
しかも、この判別式の正答率は95.3%と極めて高いです。
この判別式の使用方法ですが、尾柄高と髭長、体長をノギスで計った上で、
Y=(24.1✕尾柄高+72.1✕髭長)÷体長-8.140
を計算します。
その上で、Yが-0.467より小さければドジョウ、1.217より大きければカラドジョウ、といったものです。
まとめ
ドジョウとカラドジョウの比較は基本的に体高の高さ、髭の長さのバランスでみるのが良さそうです。